子どもができたことによって、ライフスタイルや仕事への意識の変化から、子持ちの女性が転職を考えることは多いと思います。夫の転勤に伴う新天地での転職、育休明けに転職、産後に再就職、などきっかけは様々でしょう。
多くの場合、子持ち、というだけで転職のハードルはかなり高くなります。子どもがまだ未就学児だと尚更です。
そんな厳しい現状で、子持ちの女性が転職を成功させるポイントを5つにまとめました。
目次
子持ちの女性におススメの、転職を成功させる5つのポイント
子持ち、というだけでハードルが上がる転職活動ですが、就業先が決まっても働いてみたら面接や求人情報と実態が違う、なんてこともあります。最悪の場合転職しても仕事を続けるのは難しい、という状況になるかもしれません。
以下のことに気をつけて、後悔しない転職先を選びましょう。
なんでも「できます」と言わないこと
子持ちで転職する場合は、面接時に業務上対応できないことは「できない」、とはっきり明示しておくことが大切です。独身の時や子どもが産まれる前とは違い、子どもがいると自分の努力だけではどうにも出来ないことが多くあります。
例えば、早出や残業を求められた場合、頻度にも寄りますが保育園の送迎があると短時間でもなかなか難しいですよね。
また、子どもの体調不良時の早退や急な欠勤は避けられません。
急病時に看病できる家族を確保しておいたり、病児保育の登録ももちろん働く上では必要な準備ですが、自分が仕事を休まなくてはならない場合も多くあるでしょう。
納期のある仕事や、担当をもつ可能性のある仕事の場合、職場の周囲の協力を仰ぐ場面が少なからずあるかもしれません。
面接時に自分が対応できること、出来ない可能性があることを具体的に話しておくことは必要だと思います。
採用する企業側は多少の残業ができる人が欲しいかもしれません。面接時に残業を求められたとき、「週に1度、1時間くらいの残業ならば対応できます」 といった頻度を明確にしておきましょう。
転職の面接に臨む前に、自分の残業時に夫や他の家族が保育園のお迎えなどできるか、できるとしたらどういった頻度か、などよく話合っておくことが大切です。
面接の場では採用する企業側に自分を売り込む場合、あまりマイナスの要素や働ける条件を細かく提示したくないかもしれません。しかし、入社してみてから他の職員残業していると同等の仕事量を求められたり、急な休みに理解がなかったりすると非常に大変な思いをするでしょう。
企業側からの要望を何もかもNOというと採用には繋がりにくいかもしれませんが、採用されたいからといって「なんでもできます」という姿勢もよくありません。
仕事と育児と保育園生活など、両立する方法を考えて、自分が無理なく仕事に取り組める範囲を明確にイメージし、企業側にも伝えておくことが大切です。
実際に仕事を始めた時に、面接時に話した条件と違う・・・という場面もあると思います。
柔軟に対応することも必要ですが、明らかに多い残業を求められる、休日出勤が多い、という状況なら毅然として上司に訴え、待遇を改善してもらうよう相談することも重要です。
焦って求人に飛びつかないこと
転職を考える場合、いつまでに就職したい、という希望があると思います。
保育園児のお子さんがいて、すでに保育園に在園中の場合は、再就職するのに期限があります。その期限までに再就職できないと保育園を退園になってしまうかもしれません。
転職活動に期限がある場合はとくに、パッと見て良さそうな求人があったら「とりあえず応募してみよう」と考えるかもしれません。
しかし、「家が近所だから」「女性職員が多い印象があるから」働きやすいだろう、と安易に考えるのは危険です。
採用情報の内容は、多くの応募者から採用側が人材を選びたい目的もあり、良い条件ばかり書いてある求人もあります。
なかには、求人内容が実態と違う場合もあるでしょうし、求人内容が勘違いを起こすような紛らわしい表現もあります。
「週休二日」と「完全週休二日」というのも紛らわしいですよね。よく意味を確認しないと入社してみてから驚くこともあるかもしれません。
ちなみに、
「週休二日制」・・・一年を通して、月に1回以上2日の休みがある週があり、他の週は1日以上の休みがあること。例えば、休みが毎週日曜日と土曜日が月2回、の場合などです。この場合、週2日休みの週と、週1日休みの週があります。
「完全週休二日制」・・・一年を通して、毎週2日の休日があること。例えば、毎週土、日曜日が必ず休みになります。(休みになる曜日は企業によります)
他にも、
- 祝日や休日出勤がある場合がある・・・求人票に書いていなくても、面接時に休日出勤があります、と言われることもあります。
- 出勤時間が定刻より早い慣例がある・・・9時出社でも5分前に来ていれば良いところもあれば、30分前には来なければならないところなどあります。後者はわたしの経験では病院の受付や事務などがそうでした。
- 勤務先の異動がある・・・職場が家から近所だから応募したのに、採用後は遠い職場になってしまう可能性も。
- 配属された職場が少人数・・・企業は大きくとも、実際に働く職場が少人数のため休みなどが取りにくく、配属先には同じような境遇の子持ち女性がいない。
求人内容だけでは、求人を出している企業がどんな業務形態か、異動の可能性があるのか、職場がどういう規模なのか、などわからないことも多くあると思います。
調べるにも限界はありますが、求人内容ばかり鵜呑みにせず、企業の情報や口コミ、他の求人誌に同じ企業の求人がでていないか(内容が異なっていないか)など、出来るだけリサーチしたほうが良いでしょう。
焦って近所の求人に安易に応募するのは避けた方が、転職を失敗せずにすむ可能性が高いと思います。
ワーママがいる職場でも実態についてよく確認すること
よく求人情報に「ワーキングマザー多数活躍中!」や「子どものいる女性に優しい職場です」など書いてある求人があるかもしれません。
一見、子持ちの女性でも働きやすいように感じますが、実際はどうでしょうか。
例えば、女性がたくさんいる職場でも、お子さんの年齢によってその方たちの働き方は異なるでしょう。
高校生、大学生くらいのお子さんがいる女性が多い職場は、子どもの体調によって仕事を休むことは少ないか、全くないかもしれません。そのかわり、親の介護などでお休みをとることは多いかもしれません。
保育園、小学生のお子さんがいる女性が多い職場は、子どもの体調不良時の早退やお休みに「お互いさま」という寛容な雰囲気かもしれません。
独身女性や子どものまだいない既婚女性が多い職場は、妊娠・出産にともなうお休み(妊娠中のマイナートラブル、産休や育休など)に、あまり周囲の理解がないかもしれません。
どういった年齢層の女性がいて、子どもの年齢にあわせてどんな様子で仕事をしているのか、実際に入社してみないとわからない部分もあります。
ある程度は面接で質問できるでしょうから、「女性が多い職場」というだけで安心せずに、自分の状況と照らし合わせて働きやすそうか、しっかりリサーチしましょう。
正社員という勤務形態にこだわらないこと
お子さんが小さい場合は特に、正社員にこだわって転職活動するとなかなか就職先が決まらない、という場合があります。
専門職の経験があったり、資格がある場合は別ですが、そうでない場合は転職活動する際は勤務形態にはこだわらない方が良い場合もあります。
正社員で入社する場合は、多少の残業があるところも多いでしょう。
ただ、夫が育児に積極的だったり、もしものときは実家に手伝ってもらえるような、家族に理解があり協力を得られる環境ならば正社員で頑張ることもできると思います。
そのような環境なら企業側も採用しやすいかもしれませんね。ワンオペ育児の場合はよほどのバイタリティがないと、転職先で正社員という働き方は辛いかもしれません。
保育園に預ける為に、必要な勤務日数・勤務時間を満たす働き方をしなければないない場合もあるでしょう。ですが、待機児童の多さや子どもの年齢によっては、正社員並みに働かなくても保育園に入れる場合もあります。
条件を満たせばパートやアルバイトも選択肢の一つとして考えても良いと思います。
ただし、希望する収入額もあるでしょうし、認可外保育園だと少ない勤務時間では「保育料=給料」のような状況になるかもしれません。
ある程度子どもに手がかからなくなったら勤務日数を増やすなど、キャリアアップできる環境ならなお良いでしょう。
派遣でしたら、子持ちの女性でも比較的早く仕事が決まる可能性があります。
派遣会社の職員に転職活動の相談をしたりアドバイスをもらったりして、最適な転職先を紹介してくれる会社もあるでしょう。
派遣に抵抗がある方もいるかもしれませんが、残業がなかったり勤務条件を派遣会社を通して交渉できたりと、良い面もあります。
「紹介予定派遣」といって派遣社員として一定期間働き、勤務先との合意の上で正社員や契約社員になれる場合もあります。
派遣社員として働いたうえで正社員になることを検討できるので、職場の状況も把握でき、納得のいく転職活動ができるかもしれません。
キャリアを生かせる仕事を探すこと
今まで経験した仕事のなかで、キャリアや資格を活かせる職場があればより採用されやすいと思います。
新しい職種を開拓したいという思いもあるかもしれませんが、経験を活かせる仕事の方が自分の能力をすぐに発揮できて、仕事がしやすい環境だと思います。
ただキャリアを活かせる仕事が良いといっても、しばらく現場から離れていた場合は、
- 仕事の勘が戻るまで苦労する
- 最新の現場では当時の知識を活かせないかもしれない
- 経験があるから即戦力として採用されたけど、初めから仕事に対する周囲からの期待感が強く、プレッシャーに感じる
なんてことがあるかもしれません。
経験や資格があるほうが転職活動自体は成功しやすいかもしれませんが、その後は上記のような苦労が少なからずあるでしょう。
未経験の仕事に就いた場合は、初めのうちは周囲からの期待値は低いでしょうが、一から十まで覚えることが多く大変かもしれません。
仕事に慣れるまでは経験のある仕事でも、未経験の仕事でも大変な面はあると思いますが、子持ちで転職する場合の採用されやすさを考えると、やはり経験のある職種は強いと思います。
まとめ
子持ちの女性が転職活動をする場合は、譲れない条件を絞って就活することが大切です。
家事や育児と両立しなければいけないことを考えると、仕事にばかり比重が重くなっても続けるのが大変だと思います。
求人情報だけを鵜呑みにせずに、面接に臨む前にしっかり企業をリサーチしておきましょい。自分の希望の就業条件を明確に説明できるようにしておくと、転職後も安心して働けるのではないでしょうか。