育休を取って保育園も決定したけれど、復職の条件が産前と違ったり、出産後の心境の変化などで転職したいな、と思うことがあるかもしれません。
この記事では、
- 育休明けの点数で保育園が決まっていた場合、保育園は継続できるのか
- 育休中に退職する場合は保育園に入れるのか、育児休業給付金はもらえるのか
についてまとめています。
目次
育休明けに退職する人はいる?
様々な事情から、育休明けに転職を考える方は少なくないと思います。
無事に復職できるならそれが一番ですが、保育園の生活と両立できる職場環境でなければ転職せざるをえないですよね。
育休明けに退職や転職を考える理由としては、以下のような例があります。
- 産前に仕事をしていた環境やポジションに戻れず、産後は勤務場所や勤務形態が変わってしまった。遅くまでの仕事になり保育園にお迎えにいけない、土日出勤しなければならなくなった。
- 産後子どもが産まれたことでの心境の変化で仕事への取り組み方を見直したい。
- 家庭の事情で仕事との両立は厳しく、しばらくは育児に専念したい。
- 産後の体調面を考慮して、拘束時間の長い正社員よりパートやアルバイトなどで働きたい。
人によって育休明けに転職したいと思う事情は様々ですが、育休制度は復職を前提として取得するものなので、育休明けに転職するケースには厳しい意見もあるでしょう。
それでも転職したい場合、ネックになるのが保育園ですよね。
一般的には育休明けの復職は認可保育園に入る為の点数が高く、待機児童の多い地域でも育休明けフルタイム復帰ならば保育園が決まるケースが多いと思います。
転職することでどうように保育園入園・継続に影響がでるのか、正しく知っておかないと最悪の場合、せっかく決まった保育園を退園・・・なんてことになりかねません。
育休中に転職をしたい場合
育休中に前職を退職して、転職したい場合を考えてみます。
保育園に入園できる?
育休中に退職した場合、まだ実際に保育園へ入園する前の段階でしたら、確実に入園しにくくなってしまいます。
認可保育園へ入園申し込みの段階では、共働きの母親が育休明けのフルタイム勤務だと点数が高くなりますが、退職となると「求職中」で申し込むことになります。
わたしの住む地域の点数の例をあげると、
- 週に40時間勤務の母親の場合・・・100点
- 母親が求職中の場合・・・・・・・・・・50点
となります。
ちなみに、両親ともに100点で、プラス認可外に預けている等の加点がつくと、世帯の点数が200点+αとなります。
こちらの地域は待機児童が非常に多く、0~2歳児クラスへの入園申し込みはこのくらいの点数がないとほぼ入園できません。
他の特別な理由(親の介護が必要、生活保護世帯、シングルマザーなど)がない限り、求職中では認可保育園に入園するのはほぼ無理です。
待機児童の少ない地域では状況は異なりますので、区や市の保育課などの窓口で入園内定のでるボーダーラインを教えてもらうと良いと思います。
認可保育園の入園申し込み後、入園選考中に育休中の職場を退職した場合は、保有する点数が変わります。そのため、多くの自治体では入園申し込みの書類を出し直し、再度求職中の点数で選考にかけられます。
入園申し込みの時点で転職活動が成功し、就業が内定している企業がある場合は、求職中よりも若干点数がたかくなる可能性があります。
- 母親の就労が内定している・・・・・60点(就労が決まっている、とう証明書が必要)
求職中が50点ですから、求職中より点数が高いといっても微々たるものですね・・・
以上のように、育休中に退職して、転職を考える場合は認可保育園に入園するのは不利になる可能性が高いです。
育児休業給付金を受給中に退職した場合
育休は復職を前提とした制度ですが、育児休業給付金については、受給中に退職したとしても給付金を返還するように求められることはありません。
受給中に退職した場合は、離職日が属する期間のひとつ前の支給対象期間までは、給付金を受け取れます。
退職日が一日違うと、最大で1カ月分の金額差が出てしまうこともあるので、退職日には注意が必要です。
退職してしまえば、当然ながら給付金がもらえる期間は短くなってしまいます。
育休中に退職や転職を検討するのなら、退職するのは育休明けまでじっくり考えてから結論を出しても遅くないかもしれません。
育休明けに転職したい場合
育休をとって、保育園にも入園ができたあと、育休明けに復職せずに転職したい場合、保育園は継続できるのでしょうか。
保育園の継続はできる?
保育園に入園する際に育休明けの復帰を条件に入園した方は、復帰する期限を指定されている場合がほとんどだと思います。
わたしの住む地域だと、
「育休中で保育園を申し込んだ場合、産休前と同じ職場に復帰することを前提に利用調整を行う。保育所に入園後は、4月入所の場合は5月1までに復職すること。期限までに復職できなかった場合、復職せずに退職・転職した場合は入園決定の取り消し、又は退園となる」
と決められています。
自治体のルールにもよりますが、上記の場合は入園できたとしても、復職しないで退職や転職すると保育園の継続はできないということですね。
役所に相談する
復職後、しばらくしてから退職し、求職期間を経て転職するような場合は保育園の継続が出来ることもあります。
復職してどの程度働けば退職しても転園にならないのか、など区や市の保育課に聞いてみると良いと思います。
役所に聞く際は、
「万が一、復職前や後に転職した場合は、どういう条件の仕事ならば指数が変わらないのか、保育園を継続するにはいつまでに再就職する必要があるのか」
というような質問をするのが良いと思います。
役所に転職の相談をしたからといって、実際に退職したのでなければ入所の取り消しや退所になることはないと思いますが、相談の仕方や聞くタイミングで職員の解答や対応も違うこともあるようです。
求職中で保育園に通える期間は短い
求職中で入園できた場合や入園中に転職した場合は、2~3カ月以内に就職できない場合は退所となる、といったルールがあります。
育休明けに復職し、その後転職する場合も2~3カ月以内に再就職するように、と規定されている場合が多いと思います。(自治体によります)
また、転職活動するときに気をつけたいのは再就職先の仕事の勤務時間です。保育園を退所にならない最低の勤務時間について、事前に役所に確認しておくことが必要です。
育休明けで復職後に転職する場合、入園した時の就労条件と新しい職場での条件が大きく変わらないように注意した方が良い場合があります。
保育要件や収入(課税状況)、入園時の指数が大きく変わるような職場だと、保育園継続が難しくなることもあるのです。
自治体によって様々で、求職中で入園した場合は月48時間以上の就労ができれば良い、という場合もあります。
また、一旦入園してしまえば、転職した場合、入園した時よりも少ない勤務時間で入園が継続できる場合もあります。
お住まいの自治体がどういうルールを設けているのか、転職活動をする前によく確認してみましょう。
育児休業給付金は返還する必要がある?
育休明けに転職した場合でも、すでに支給された育児休業給付金を返還するように求められることはありません。
まとめ
育休中や育休明けに転職を考える場合は、保育園に入所し復職後に退職・転職活動をすることをお勧めします。
ただ、会社都合で退職となる場合もあるでしょうから、誰でも最適のタイミングを待てるわけではないですよね。
もし、育休中に退職となった場合は認可保育園だけでなく、認可外保育園も視野に入れて保活も進めると良いでしょう。できれば保育園をキープした状態で就活した方が転職先は決まりやすいと思います。
↓子持ちの女性が転職活動を成功させるポイントについてはこちらの記事で紹介しています。